パラダイスシード開発ストーリー:はじめに

パラダイスシード

画像;はじめに

パラダイスシードとは

アフリカ・ガーナ産のショウガ科香辛料:Grains Of Paradise(グレインズ・オブ・パラダイス)。大きさは胡椒の半分ほどで、コショウや生姜のような辛みと花や柑橘のような独特な香りが特徴的です。
現地では古来よりスープやシチューに入れるスパイスとして親しまれると同時に、咳、気管支炎、消化不良、リウマチなどの生薬としても使用されています。
私たちはこのGrains Of Paradiseを「PARADISE SEED(パラダイス・シード)」と名づけ、現地農家や学術機関とともに生産技術の向上、研究開発を行っております。

背景

13世紀に、西アフリカからの貿易商がトリポリ、イタリアに香辛料を持ち込んだことから始まります。
このとき、イタリア人がその農産物の高い価値に驚き、「Grains of Paradise(パラダイス(楽園)の種だ)」と称したことが名前の由来となっています。当時はその高い価値ゆえにどの国から輸入されていたかは極秘事項でした。

その後、ヨーロッパでは胡椒の代替物として浸透しました。
コショウのような辛味、ジャスミンやくちなしの花のような香り、柑橘系の清涼感を併せ持つのが特徴で、イングランドでは、シナモンや生姜のように香味付けにもちいられました。
16世紀の女王エリザベス1世もこの”楽園の種”を愛好していたとされます。ヨーロッパにおいては時代と共に人気が落ちていますが、西・北アフリカでは現在もなお使用され続け、アメリカでは比較的新しい香辛料として食のエッセイなどで取り上げられています。

北アフリカでは、バター、はちみつ、ピーナッツ、アーモンド等と混ぜ合わせた抽出液がディナー後のコーヒーに、またラム酒やブランデーの香り付けに使用されています。
ガーナでは、種子が幅広い用途を持ち、料理や飲料に使う香辛料から、他の植物と共に傷やリウマチといった外科的治療、胃潰瘍や頭痛といった内科的治療に役立っています。

生態

細長い葉をもつ多年生植物であり、2メートルの高さにまで成長します。葉は互生状に配置され、長さ20cm、幅3cmほどで、根茎は塊茎状。1本の茎に1つ、の10cmくらいの薄紫色の朝顔のような花が咲きます。
果実は赤と黄色があり、7 cmほどの細長いたまねぎのような形です。その中には白い綿とともに濃い茶色の、香りをもつ種子をつけます。

栽培

繁殖は種子または根分けにより、単一作物として栽培されています。温かく湿気のあるカカオ畑の木の下や、程良い日陰でうまく栽培をさせることができます。これはカカオの落葉による腐葉土が苗に栄養を与えることも理由の一つです。
古い乾燥葉をもぎ取ることが質の良い生産物をつくるコツであり、播種後、7~12日で通常発芽し、6~8週間後、苗を畑に定植します。その後9~11カ月で初めて収穫できます。

管理条件によっては、10年目まで利益が上がるほどの生産量を保つことができます。鞘が緑色から赤もしくは黄色に変わると収穫です。なお、地域によって収穫時期は違います。栽培地の気候により、決まった収穫時期はありません。
赤色や黄色の鞘の中には、濃い茶色の成熟種子があり、香りと刺激のある味わいをもちます。これらの種子は、7日間ほど日光で乾燥させられます。 ガーナでは年間に約20トン生産され、1エーカー(0.4 ha)で0.5~1.5トンの生産量が一般的とされています。

用途

辛みと共に柑橘のさわやかな香りと花のようなふくよかな香りを持ち、ビールやワイン、スピリッツ類、お酢などの香味づけに用いられています。
また、欧米では、化粧品や香水の材料としても大手メーカーにより使用されています。
ガーナにおいては種子を砕いて、頭痛や歯の痛み、風邪、リウマチ、赤痢の治療に伝統薬として用いられます。男女ともに精力増強効果でも知られていて、複数の植物と共に摂取されています。
また、根茎は赤痢や下痢に有効だと言われています。

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